昨今の日刊工業新聞より抜粋~各業種別情報
自動車用-車載LAN用で需要高まる
自動車は最先端技術を結集したエレクトロニクス化が進んでおり、安全・快適な運転が可能となっていることは間違いない。カーナビゲーションシステムや、高度道路交通システム(ITS)、エンジン、トランスミッションの電子制御化、エアバッグシステムなど、車載電子機器の進化が人だけでなく環境にも優しい自動車を実現する。
コンデンサーやセンサー、スイッチなどさまざまな電子部品が搭載されているなか、コネクターも多くの用途で利用されている。最近、車載LAN向けで需要が高まっている。大容量かつ高速データ通信を可能とする車載LAN規格が登場すれば、車内に点在する多くのケーブル類を削減でき、車体の軽量化の実現だけでなく、低燃費化にも貢献が可能だ。現在、最大通信速度が毎秒10メガビットの高速・安定伝送を目的に「フレックスレイ」規格が開発。今後、フレックスレイなどの車載LAN規格に対応したコネクターの開発が盛んになるだろう。
HDMI用-信頼性確保へ開発は活発化
情報化の加速による通信回線の高速・大容量伝送が求められる中、信頼性の高い通信を確保するためにコネクターの存在がクローズアップされている。こうしたなか、ハイ・ディフィニション・マルチメディア・インターフェース(HDMI)対応コネクターの需要が高まっている。HDMI対応コネクターはケーブル1本でハイビジョン映像とマルチチャンネル音声を伝送できる。HDMIは、薄型TVのほか、DVDプレーヤー、パソコン、プロジェクターなどに採用され、今後も普及が予想されることから、HDMI対応コネクターの開発は活発化しつづけるだろう。
マイクロUSB用-高耐久性など成長性秘める
次世代USB規格であるマイクロUSB対応コネクターの搭載も増加している。マイクロUSBは昨年1月に発表された規格で、ミニUSBと比べ小型・薄型であるほか、電気的、機械的性能が大幅に向上したものである。携帯電話やデジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)など、小型電子機器の外部接続用として幅広く利用され、1万回以上抜き差しできる耐久性や、外部から加重されても抜けにくい構造であることから、今後、大きな市場に成長する可能性を秘めているといえる。
太陽光発電システム用-環境問題などで注目度増す
また、太陽光発電システム市場向けに太陽電池モジュール用コネクターを開発するメーカーが増えてきている。近年、地球温暖化問題への対応や石油高騰の対策において、クリーンエネルギーとして太陽光発電システムが欧州を中心に注目されている。太陽光発電システムでは太陽電池モジュール間をケーブルでつなぎ合わせるが、作業性から中継コネクターを使用するケース目立っている。
多点接触構造の採用で優れた接触性能を確保するほか、独自の防水構造により、工具なしでケーブルの防水処理が容易に行えるようになり、作業性に優れているのが特徴である。TUV規格やUL規格が存在することから、これらの規格を取得しようとする動きが急速に進んでいくだろう。